デジタル・ショット 「春夏秋冬・・・心向かう先」 No.137

越中おわら風の盆」撮影紀行

Photo by Ken Ohsawa
2009.9.3-4
Digital Still Camera : NIKON D300 
Photo Retouch::ACDSee 9 Photo Manager&Ph
otoshop CS2

* このページの広さは、【解像度 XGA 1024×768 】 で作成しています。 画面を最大化してご覧ください。
* 許可無く、画像を二次利用することを禁止します。



「おわら風の盆」を知ったのはずいぶん前に観た1枚の写真からだった。
月明りの橋の袂で灯篭の灯りに浮かび上がった女と男たちの踊り姿、
それは、合成写真であることが明記された年間コンテストの優秀作品だった。

それから、元気いっぱいの喧騒の祭りや踊りのなかで、
静かな三味線と胡弓の音色に合わせてわずかな灯りだけで早朝まで静かに踊り明かすことを知り、
高橋治氏の小説「風の盆恋歌」と映画化、石川さゆりの同名の歌などがあり
いつか行き撮影したい場所として心の奥底に雪のように降り積ってきていた。

日本全国どころか日本文化の色濃い踊りとして海外からの旅行客も多く、
「2〜3年前から予約しておかないと宿泊できない」とまで聞き面倒でいつのまにか諦めていた。

しかし、ついにその機会が今年の初夏にやって来た。
入会している「クラブ・ツーリズム」社の車中泊現地4時間過ごせるリムジンバスツアー撮影旅行企画。
実は同社は、9月26・27日にも「月見のおわら」を八尾町の協力で自社専用企画を実施する。

しかし、どうせ撮るなら大混雑しても“本祭”を選び、混雑が終わる最終日夜半が狙いだった。
観光のための踊りが主体だが、自分たちのために踊り明かす「町流し」が何とか撮りたかったからである。

初夏6月に予約していた念願の撮影旅行だった。
あいにく9月3・4日の富山地方は、「曇り時々雨」、高価な楽器や衣装を護るため雨天中止になる。
ともあれ、横浜駅前を午後2:20発のリムジンバスに乗車して一路「富山」駅へ向かっていた。

*

「越中おわら節」は、300年の歴史を持ち全国的に有名な民謡、
「おわら」という言葉は
「大笑い」や「大藁」がら変化したという諸説があるが、
最初は、八尾町の開祖だった米屋少兵衛が極秘の八尾「町建て」の書類を取り戻した祝い
町民に無礼講で金や太鼓で3日3晩面白おかしく踊り明かしたというのが始まりだという口伝がある。
現在の「おわら風の盆」は、日本古来の祖先信仰の「魂祭」、中国の『盂蘭盆経』の「盂蘭盆会」、
豊作祈願の「習俗」、それらが結合したものだという説が頷ける。

難しいことはさておき、この踊りを観る人々は皆、目の前味わう静かで素朴で艶っぽさに感動する。
かつ、夏の終わりに踊り明かすことを楽しみに練習を1年間重ねている地元の若者たちが多いのは嬉しい。

付け加えさせていただくが、撮影する側からすれば一番狙いたい「町流し」が過酷である。

ステージを作って見せてくれる場所は、照明があって三脚無しでも問題なく撮影できるが、
300年前に雪洞(ぼんぼり)の明かりだけで夜の坂道を踊り明かした不思議な時間と空間を大事にしたい
という諏訪町の「町流し」などでは、もはや外来者は観客ではなく見せていただく余所者(よそもの)に過ぎない。

昔通りの、静かな音曲と踊りに集中するために「薄暗い灯りと静寂」が求められる。
三脚・1脚の使用、ストロボの照射や最中の移動、前後一定距離内への立入りなどが厳禁されている。

そのため、薄明かりのなかISO1600超の高感度設定でも、通常では考えられない試練として、
開放絞りf/2.8、シャッタースピード1/4〜1/20sを手持ち撮影しなければならないのである。

しかし、その結果である写真を今ゆっくり見直してみて、
だからこそ地元の人たちが楽しむ時間と空間を、少しは共有した絵作りに近づけたと確信した。

*

末尾でご案内の「おわら風の盆」のムービーや「おわら風の盆恋歌」なども味わっていただきながら、
以下全60枚のデジタルショット「越中八尾 おわら風の盆 撮影紀行をごゆっくりお楽しみいただきたい。





No.01   横浜駅から往復路お世話になった洗面室付きリムジンバス




No.02  JR「越中八尾」(えっちゅうやつお)駅、富山駅から列車で移動して来た   <22:04> ←撮影時刻




No.03  商店内も「おらわ風の盆」一色




No.04




No.05




No.06 駅前通りの踊り、行事予定は終了している時間のはずだが・・・    <23:02>




No.07 ステージ上の男踊りと女踊り




No.08 息が合った踊りには魅了される




No.09 伸ばしきった手が美しい




No.10 男女ともに独特の深編笠スタイル




No.11  男は半天(法被)、女は浴衣姿




No.12 正絹製の高価な衣装や楽器を護るため雨天中止になる




No.13   未婚の女性と男性が主役




No.14 爽やかで艶っぽい女踊り




No.15 男踊りも切れが良くて魅力的





賑やかな駅前通りの喧騒から離れて独り井田川沿いに「町民ひろば」へ進むと
今回の撮影で目指す「夜の町流し」が観られるという丘上の町が見えてくる。
静寂の中、道案内をするかのようにずうーと誘うように続く灯りに期待が高まってくる。



No.16  「井田川」を渡って向かう丘上に9つの町がある




No.17 「町民ひろば」から禅寺橋を渡る




No.18  見世物ではない自分たちが楽しむ踊りの原点「町流し」が観たい




No.19  こんな深夜に踊りがあるのか、少し心配なほど人影が少ない    <23:44>




No.20  丘上の町の夜空に輝く月と星が幻想的




No.21 「雨だけは降らないで欲しい!」という今朝の祈りが見事に通じた  




No.22 裏通りにも続く灯りが不安を消してくれる




No.23 伝統のありそうな旅館  




No.24  「東町」商店街にて




No.25 「おわら風の盆」の傑作写真が飾られた店内




No.26   有名な「日本の道百選通り」諏訪町の石畳みの坂   <23:49> 




No.27  古い家並みに灯りが似合う




No.28  坂が多い八尾の町ならではの景観




No.29  サルスベリの花が夏の名残りを思わせる




No.30 着飾った町の人たちの談笑




No.31  外来者は道端に寝たりして、ひたすら予告なく始まる「町踊り」を待つ    <0:32>




No.32 三味線の音が聞こえ始めて流しが始まった   <0:52>




No.33   曲に合わせて華やかに軽やかに女踊りが続く




No.34  お気に入りの浴衣姿で自由に楽しむ




No.35   男踊りを教わる少年も加わって踊る




No.36  三味線を弾く女性も決まっている




No.37 「町流し」はストロボ無し撮影が当然のマナー  (ISO1600,f2.8,1/4s )




No.38 自分たちのために踊り終えて談笑




No.39 坊やが人気だ




No.40 帰途に就く人々   <1:21>




No.41  再び静寂な夜の町になってしばらく月を観る




No.42




No.43 再び集まってきた踊り手たちと記念写真




No.44 三味線や胡弓の曲をバックに少女を入れて女踊りが進む    <2:21>




No.45  着飾った人々が続く



No.46 自分の踊りに夢中  




No.47 薄暗いなか灯りに浮かぶ姿が艶っぽく美しい 




No.48




No.49 伝統の家並みと石畳の通りに音曲と唄いが流れ女性たちが踊りながら華やかに進む




No.50 これこそが深夜の「町流し」  <2:25>




No.51



No.52




No.53




No.54




No.55




No.56  坂下へ踊りが去ってゆく




No.57 こうして「おわら風の盆」の撮影が終わった  <2:36>





初めての「おわら風の盆」だったが、
300年前からの伝統の「町流し」を、薄明かりのなか踊り手たちの息遣いが分かるほど近くで観て、
願っていた絵に近いショットが撮れたことが何より嬉しい。
いつもながら、写真の女神はまた僕に微笑んでくれたようだ。


No.58  余韻に浸りながら再び「禅寺橋」を渡って戻る




No.59 午前3:20発横浜駅行きバスが待つ「町民ひろば」へ向かう




No.60 今まで居て夢のような時間を過ごした深夜の丘上の町がまだ輝いている  <3:06>
あちらこちらの町筋で「町流し」が夜明け5時頃まで続くらしい






END



【ご参考:撮影事前調査資料から】

「おわら風の盆」 有限責任中間法人 富山県民謡越中八尾おわら保存会

「おわら風の盆の歴史」 八尾総合行政センター農林商工課

「おわら風の盆 写真と動画」 とやま倶楽部 (八尾11町の踊りと唄いなどがムービーで視聴できます)

「盆踊り〜越中おわら節〜風の盆恋歌」 えんじゅ (中で民謡「越中おわら節」と石川さゆりの歌唱がムービー視聴できます)




                      “月見のおわら”                                  写真合成 (2009.9.18)   KEN_yokohama


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